こんにちは、あわ居の岩瀬崇です。本日、あわ居別棟の雪囲いをはずしました。雪囲いというのは、写真の左にあるような木を使い、建物を囲うことです。あるいはその囲い自体のことを指す場合もあります。主に玄関や窓部分など、ガラスがあったり人が出入りしたりする部分などに、重点的に雪囲いをつくります。例年2メートル以上の積雪がある石徹白では、この雪囲いが必須で、例年は、写真でいえば軒を軽く超えるくらいには積雪があることが多いです。
今年は全国的な暖冬の影響で、石徹白も積雪が少なく、またしばらく大雪の予報もないので、この時期では異例ですが、思い切って雪囲いをはずしました。(例年でこの雪囲いをはずす作業は、3月末、遅い時には4月初旬にずれこむこともあります)
雪解けの季節に、こうして雪囲いをはずしていると、いつもきまって石徹白に移ってきた最初の年のことを思い出します。「あぁ、またこの季節がやってきたなぁ」となんとも言えない感慨があるのです。
あの時は、雪解けと同時に、建物を正式に譲って頂いて、右も左もわからないながら、前に住まれていた方の雪囲いをはずしつつ「今年の秋にこれを果たして自分でつくれるんだろうか」ととても不安になっていました。そればかりでなく、これから何が始まっていくのかわからない独特の緊張感や不安があり、でもこれまでとは違う何かが始まっていくんだという期待のようなものも混ざったなんとも言えない心持ち。この季節にしかない独特の匂い、雪解け水が勢いよく流れる音、気温、空気の清澄さ。そうしたものが混ざり合いながら、あの時の心持、それをあえて言うのだとすれば初心というようなものを、毎年この時期に、決まって思い出します。
確かにこの八年間の中で、いろいろと変わったこともあるけれど、雪囲いをはずす作業は毎年変わらずにしている。そしてその時に感じるこの場所、この季節の空気感は毎年それほどには変わっていないような気もします。そしてそういう変わらない部分を毎年この時期に感じ取れることが、自分にとって非常に重要なことであるような気がするのです。
あわ居別棟は来週から2泊3日滞在される方、本棟と併せて4泊5日滞在される方という感じで短期滞在の流れが続いていきます。オンラインでの事前の無料相談も実施しています。夜はまだまだ冷えますが、館内は十分あたたかくなっています。ぜひこの季節にしかない空気感を味わいにいらしてください~。
あわ居 岩瀬崇