不慮の事故等の定義とその範囲  2021年3月8日更新 あわ居

 

1.不慮の事故の定義 

不慮の事故とは、故意や重過失に基づかない「急激かつ偶然な外因による事故」をいいます。ただし、疾病または体質的な要因を有する者が軽微な外因により発症しまたはその症状が増悪したときには、その軽微な外因となった事故は急 激かつ偶然な外因による事故とみなしません。不可抗力による事故、第三者による加害行為を含むものとします。

 

2.外因による事故の範囲 

外因による事故の範囲は下記に定めるものをいい、分類項目の内容については、「疾病、傷害及び死因の 統計分類提要 ICD-10(2013年版)準拠(厚生労働省大臣官房統計情報部編)」によります。

 

 分 類 項 目 分類番号 

1.交通事故 V01~V99 

 

2.不慮の損傷のその他の外因 

ただし、次の各号に該当するものを除きます。 

(1)疾病により呼吸障害、嚥下障害または精神神経障害の状態にある者の「胃内 容物の誤えん<嚥><吸引>(W78)」、「気道閉塞を生じた食物の誤えん<嚥 ><吸引>(W79)」および「気道閉塞を生じたその他の物体の誤えん<嚥> <吸引>(W80)」 (2)「高圧,低圧及び気圧の変化への曝露(W94)」 

(3)「自然の過度の高温への曝露(X30)」 

(4)「自然の過度の低温への曝露(X31)」 

(5)「日光への曝露(X32)」

(6)疾病の診断や治療を目的とした「有害物質による不慮の中毒及び有害物質へ の曝露(X40~X49)」 

(7)「旅行及び移動(X51)」 

(8)「無重力環境への長期滞在(X52)」 

(9)「食料の不足(X53)」 

(10)「水の不足(X54)」 

(11)「詳細不明の欠乏状態(X57)」 W00~X58 

 

事例※病気や疾病を直接の原因とする事故はぎっくり腰、ヘルニアは不慮の事故ではなく病気である。

事例※精神障害中(事故の発生との間に相当因果関係の認められるもの)又は酒に酔っている間に招いた事故

 

3.加害にもとづく傷害及び死亡 ただし、「その他の虐待(Y07)」に該当するものを除きます。 X85~Y09 

 

4.法的介入 ただし、「合法的処刑(Y35.5)」に該当するものを除きます。Y35 

 

5.治療上の使用により有害作用を引き起こした薬物,薬剤及び生物学的製剤 ただし、疾病の診断や治療を目的としたものを除きます。Y40~Y59 

 

6.外科的及び内科的ケア時における患者に対する医療事故 ただし、疾病の診断や治療を目的としたものを除きます。 Y60~Y69 

 

 

7.患者の異常反応又は後発合併症を生じた外科的及びその他の医学的処置で,処置 時には事故の記載のないもの ただし、疾病の診断や治療を目的としたものを除きます。 Y83~Y84 

 

 

3.感染症の取扱い 下表の感染症は不慮の事故とみなします。

なお、分類項目および分類番号は、「疾病、傷害及び死因の統計分 類提要 ICD-10(2013 年版)準拠(厚生労働省大臣官房統計情報部編)」によります。 

 

分類項目 分類番号 

コレラ A00 

腸チフス A01.0 

パラチフスA A01.1 

細菌性赤痢 A03 

腸管出血性大腸菌感染症 A04.3 

ペスト A20 

ジフテリア A36 

急性灰白髄炎<ポリオ> A80 -こ規-24 

ラッサ熱 A96.2 

クリミヤ・コンゴ<Crimean-Congo>出 血熱 A98.0 

マールブルグ<Marburg>ウイルス病 A98.3 

エボラ<Ebola>ウイルス病 A98.4 

痘瘡 B03 

重症急性呼吸器症候群[SARS](ただし、 病原体がコロナウイルス属 SARS コロナ ウイルスであるものに限ります。) U04 

事例※新型コロナウイルスのうちCOVID-19も感染症に含む。